スキゾイドパーソナリティ障害の生存競争

人工知能は人間よりも優しい存在になりうるか

シゾイドと不可逆

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物静かで落ち着いた転校生がやってきた。おとなしい性格なので、粋がったクラスのバカがからかったり高圧的な態度で接するようになった。私はその転校生と初日に意気投合し、行動を共にしていた。

その粋がったバカと私は仲が悪かった(一度そいつに冷やかされたときに椅子を振り回して襲い掛かったため警戒して話しかけてこなくなった)ので関わることはなかったが、転校生にマウントをとるために近づいてくる。

ある日、そのバカの挑発に対し転校生が珍しく毅然とした態度で無視を続けていた。バカは腹が立ったのか、転校生に蹴りを入れ始める。蹴られても相変わらず無視を続けている。バカも徐々にイライラしてきたのか「調子乗ってんなよお前」と言いながら蹴る力を強めた 。

次の瞬間、転校生は形相を変えバカに飛び掛かった。爪を立てて目元から鼻にかけて思い切り引っ掻いたようだ。バカはすっかり怯んでしまった。転校生はさらにバカを壁に向かって蹴り倒し、何度も何度も足を蹴った。何度も何度も、もう50回くらいだろうか。バカは「痛ぇ…足が動かなねぇ…」と情けない声ですでに泣いていた。

さすがに過剰防衛だと思い、もうやめたらどうかと転校生に提案した。返事はこうだ。

「こいつの足が動く限り、クラスメイトは蹴られ続けるぞ」

私はその言葉を決して忘れないだろう。彼はバカに仕返ししたかったわけではなく、バカの脅威・連鎖に人一倍怯えていたのかもしれない。強弱関係が続くことを恐れ、絶対的に相手を敗北させることで終止符を打ちたかったのかもし れない。

思えば私も、小さな嫌がらせを終わらせるために多くの道具や物質を使って過剰防衛をしてきた。相手に大けがの恐怖を感じさせ、こいつを怒らせたら殺されるとでもいうような印象を与えることで、自分を防衛してきたのかもしれない。

先制攻撃さえ受けなければ決して自分から他人に絡んでいく人間ではないので、先制攻撃を絶対にできないようなパワーバランスを保つ必要があった。そのためには過剰防衛か狂気の演出しかないのである。

健常ハラスメント・健常マウンティングへの抵抗は、健常なものではダメなのである。「こいつの足が動く限り、クラスメイトは蹴られ続けるぞ」これは今の搾取社会にも通じることかもしれない。